「無題その82」
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波は波にありて波になかりき
波はなみなみと限りありて
そこかしこに点在し
やがてやってくるその日に
打ちつけ昇りつめ
音をたてて崩れ去る
波は波にありて波になかりき
打ち返し戻し返しつつ
泡となり見事に散るもの
やがてやってくるその日に
一輪の花を手向けたまふ
汝の生きる証として
我、一輪の花を手向けたまふ
故に恐るるなかれ
我に預けたまへ
我にかしずき頭をたれるもの
ハタラキいかんでは
花より月に愛でしこの世の桜
見事に打ち勝つもの
狂わされぬよう気をつけること
悪しき人にも手向けたまふ
我の春のいのち
波は波になかりて波にありき
近こうようで遠きにあるもの
はよう戻りなされ
我が愛し子よ
見事にハタラキなされ
かいふうのごとし
2009/11/17 (火) 18:48
by mayufuru
| 2009-11-30 22:28